お陰様で俺は退院した時に比べて随分と回復したと思う以前は同時に二個の事をすると五回に二回は片方を忘れる事が有った、非常に危ないのであるが妻は我慢強く、俺に一つ一つを説明してくれるので、これは、子供が親に用事を言いつけられているのと同じようなもので腹も立っただろうしそれでも起こるわけでなく、こういう我慢強い教師は昔からいて同じような小言が多いから俺は嫌いだった同じような感情を俺は妻に抱いていた小言が多いように思えたのだ実際ブちぎれずに今まで理性的にやってこれたのは彼女の深い心があってこそだ、同じような説明を何度も繰り返しているとしまいには腹が立つだろうけれどそれでも一つ一つを言い聞かせるように説明してくれたおかげで俺の脳は、理解のシナプスを増やしていった、そのおかげで俺は回復してきたのだ、一度脳卒中になって脳細胞が破壊されるとそれまで保存されてきた大量の脳細胞は幹細胞としての働きを持つので、簡単に言ってしまえばもう一度子供の時からやり直すのに近い状況になるのだ、考えてみたら三歳児に台所仕事をさせれば危ないだろう、これと同じことが俺の身に起きたという訳で、つまりやったことがないのにやってみたら失敗するのと同じで、失敗を重ねて賢くなるしかないので、、、そこは大目に見る寛容さが必要になってくるのだが幸い妻は諦めることなく俺を三人目の子供のように扱ってくれたので俺はここまで回復することができたのです、もう検査の予定はないので分からないけれど俺の脳の画像を見る事があれば血種によって圧迫された脳の領域はだいぶ脳細胞が増えたように見えるはずだ、それを奇跡だという人もいると思う、現代医療では脳細胞の再生は決して起こらない事としているので、おそらく認めることはないでしょうが脳の量的にはだいぶリカバリーされているのだと思います。つまり俺の回復の例を見ても人間の回復には愛情の力が何よりも薬だという事です