仕事のこと
例えばくるくる回ってないお寿司屋さんに行くと目の前でネタをさばいて握ってくれる、いつまで見ていても飽きないくらい見事な手さばきで惚れ惚れする。
何十年と毎日一つ一つの仕事を丁寧にしてきたプロの技でまさしくオンリーワンの仕事だと思う。
この道何十年の職人さんの仕事を見ていると皆、一つ一つの動きに意味があり無駄な動きを入れずブレのない仕事をこなしていく。
プロという言葉の意味は色々とあるかもしれないが、僕の場合プロという言葉はこのような一流の仕事に対して使っている。
一流のプロの仕事というのは学校を優秀な成績で卒業したからと言って身につくものではないし、お金を払えば教えてもらえるというものでもない。
毎日毎日を仕事に没頭し、手を抜かず道を求めてきた人がたどり着ける境地だと思う。
僕はカイロプラクティックに携わってから16年になる。
多分、今自分ができていることや気づいていることは、16年前の自分にとっては理解のレベルを超えていると思う。
5年前に比べても、その頃の自分には全く気づけなかった事が今は気づくことが出来るようになったのでかなりレベルアップはできてると思う。
昨日よりも今日のほうが1mmでいいから前に進んでいたい。そんな毎日が続くと一年前の自分が随分と坂の下の方にいるように感じられたりする。
問題は今から5年10年経った時の自分は今よりももっともっと進化できているかどうかだ。
今の自分は一流だと自分で思ってしまったらそこで成長が止まるような気がする。
うまくしたもので自分が天狗になりそうな時に限って頭を思い切り叩かれるような事が起こる。
その時はそう思えなくても後になって、ああ、あの時えらい目にあって良かったのだと思うことが何度かある。
明治の超一流と言われた漢方医に石塚左玄先生という方おられた。
先生の逸話は数多く、診察室のドアを開け自分の前まで歩いてきた老婆の足音だけで生まれてからどういう半生を生きてきたか言い当てたという。
道を極めればそんなことも出来るようになるのか。
自分は後何年生きて、どこまで極めることが出来るのだろう?
自分がしている仕事に不満を持つ人も多いと耳にしますが、今の世の中でこんなに奥の深い、楽しくて仕方がなくて人に感謝される仕事についているのは幸せだと思います。